「『松竹梅』ってなに?」
(令和2年1月)
新年明けましておめでとうございます。
2020年、今年はオリンピックイヤーです。
昨年11月にはメイン会場となる新国立競技場が完成しました。外周のひさしには47都道府県の木材が使われ、木のぬくもりが感じられる構造となっており、大きな話題として取り上げられました。
これを契機に建築物への木材の利用が一層進んでいくことと思います。
さて、お正月となれば、おめでたい樹木として「松竹梅」が頭に浮かびますが、なぜなのでしょうか。
語源は中国にあるようです。
中国の文人画(中国絵画の一つ)で好まれた画題の一つに「歳寒三友」(さいかんさんゆう)があり、冬の寒い季節に友とすべき三つのものとして、松・竹・梅が挙げられています。
松と竹は寒中でも色褪せず、また梅は寒中に花を咲かせます。中国では、これらを「清廉潔白、節操」として表現しました。
しかし、日本に伝わり、時代が変わるにつれて、「めでたい縁起物」と認識されるようになりました。
なぜそうなったのでしょう。
「松」は常緑樹で冬でも葉を落とすことなく一年中緑を保ち、樹齢も数百年と長いことから、「長寿」の象徴とされました。
次に「竹」ですが、まっすぐ伸びる様子やタケノコが地面を割って出てくる様子などから、「繁栄」の象徴とされました。
最後に「梅」ですが、寒中に他の花に先駆けて気高い香りの美しい花を咲かせることから、「気高さ」の象徴とされました。
中国と日本、時代背景が大きく左右すると思いますが、同じ樹木を観ても感じ方に違いがあるものなのですね。
デパートやホテルなどのエントランスやロビーには、門松や大きな生け花が置かれていますが、その中には「松竹梅」が必ず入っていると思います。「歳寒三友」の四文字熟語も思い出してみてください。
この冬は、あなたにとっての、「寒い季節の友とすべき三つのもの」を見つけてみてはいかがでしょうか。 |
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本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(広島市森林公園の門松です。) |
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