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広島市の木

公開日:2020年03月01日 最終更新日:2023年07月05日
登録元:「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」

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「広島市の木」
(令和2年3月)

 皆さんは「広島市の木」は何か知っていますか。
 市内の街路樹や神社の境内などで見かける木です。

 その答えは、クスノキです。
 市の木の制定に当たり、まずは選定委員会から、候補木としてクスノキ、タイサンボク、クロガネモチの3樹種が示されました。この中から市民が投票する形で最多得票を得たクスノキが、昭和48年(1973年)11月3日に「広島市の木」として制定されました。
 原爆で多くのクスノキの巨樹が失われましたが、生き残ったクスノキはいち早く芽を吹き、市民に生きる希望と復興への力を与えてくれました。
 クスノキは、新生広島の象徴と言えます。

 では、クスノキは一体どんな木なのでしょうか。
 漢字では一般的には「楠」を用いますが、「樟」とも書きます。
 「楠」は中国では本来、タブノキを指す漢字です。クスノキもタブノキも日本の照葉樹林を代表する樹種ですので、古い時代にはあまり区分をしなかったのかもしれません。
 一方「樟」は、樟脳(ショウノウ)という言葉があるように、強い香りを持つ樹木です。
 現在、私たちがクスノキと呼んでいる樹木は後者ですので、漢字としては「樟」が正しいのかもしれません。

 クスノキの語源としては「臭し(くすし)木」また、「薬(樟脳)の木」からきたと諸説あるようです。
 クスノキの木材は、樟脳の芳香により防虫効果を期待して箪笥などの家具材として使われてきましたし、船や仏像の材料として重宝されていたようです。また古くは、防虫剤や鎮痛剤としてクスノキを携帯していたという記録もあるようです。

 広島でクスノキといえば、宮島の大鳥居を思い浮かべる方も多いと思います。
 現在の大鳥居は、明治8年(1875年)に建立されたものです。平清盛が1168年に造営したものを初代とすると、現在のものは8代目となります。大鳥居の主柱は樹齢500年~600年のクスノキで、袖柱はスギが使われています。主柱に使用するクスノキは20年の歳月をかけて探し、佐賀県から運んできたそうです。
 大木のクスノキは、国や県、市町村の天然記念物などに指定されていることが多いので、今後、宮島の大鳥居の主柱に使えるクスノキを探すのは至難の業です。

 ちなみに、広島市内でトップクラスの大きなクスノキが元宇品の灯台の近くにありますので、ぜひご覧ください。

元宇品のクスノキです。

この情報は、「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」により登録されました。

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