バイオマス発電所ってなあに?
みなさんは「バイオマス発電」という言葉を聞いたことはありますか?
また「木質チップ」とはどのようなものか、見たことはありますか?
広島市には市内初のバイオマス発電所として、安佐南区に「西風新都バイオマス発電所」があります。
今回はこの施設を視察する機会に恵まれましたので、簡単にご紹介したいと思います。
まずは「バイオマス」とは、動植物などから生まれた生物資源の総称で、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電することを「バイオマス発電」といいます【経済産業省資源エネルギー庁ホームページより引用】。
「バイオマス発電」は、地球温暖化対策の一環として、また循環型社会の構築に大きく寄与するものとして、注目されています。
西風新都バイオマス発電所では、燃料の全てを地域の未利用木材を主とする 100%バイオマス発電により、環境貢献、建設から運用・保守までの発電技術の向上を図り、地域と共に発展することを目指されています。
では、実際の施設内の様子をご紹介します。
⑴ 施設の全体図です。
⑵ チップ製造建屋です。ここで搬入された未利用木材から金属類などを分別し、約15cm以下に粉砕します。
⑶ 粉砕された未利用木材(木質チップ)です。
⑷ 木質チップはチップ倉庫に運ばれ、水分量が規定以下になるように混合及び攪拌して使用します。
⑸ バイオマスボイラーの排ガスからCO2を回収する装置(CO2回収装置)です。
安全を第一に、どのようにすれば経済性が高まるかなど活用法を検証しています。
⑹ 蒸気タービン発電室です。防音対策はバッチリです。
⑺ CO2はCO2回収装置から配管を通り、農業ハウスに運ばれます。
ここではCO2の濃度が高い環境下で、農作物のCO2吸収量の他、生育速度や甘さがどのように変化するかの実証実験に取り組んでいます。
農業ハウス内の様子
このように、この施設では、
①低炭素社会に向けた再生可能エネルギーの供給
②地域住民の雇用という地域貢献
③山に眠っていた未利用木材(=資源)の有効活用
さらに④付加価値を高める農作物の生産と、一石三~四鳥(筆者の造語ですが)になるのではないかと、大いに期待するところです。
なお、この施設では随時視察の受け入れも行っておられますので、関心がある方は、一度訪れてみられてはどうでしょうか。
この情報は、「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」により登録されました。