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人々に勇気を与えた樹木

公開日:2020年08月01日 最終更新日:2023年07月05日
登録元:「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」

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人々に勇気を与えた樹木(令和2年8月)

 毎年、この時期になると小学生の頃に受けた平和学習を思い出します。
 今年は広島市にとって被爆75年という節目の年にあたります。当時は、「75年間、草木も生えない」と言われたヒロシマの街でしたが、現在は緑豊かな自然に囲まれた街になりました。被爆により建物や人間だけでなく多くの樹木が被害を受けましたが、樹体が傷つきながらも芽吹いた木々は、戦後の人々に勇気を与えました。

 広島市では、爆心地から2km以内で被爆し、再び芽吹いた木々を被爆樹木として登録しています。被爆樹木のなかでも、「被爆アオギリ」のことは知っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 当時、被爆アオギリは爆心地から約1,300m離れた東白島町にある広島通信局(現日本郵政グループ広島ビル)に生えていました。爆発により通信局の建物はほぼ全壊し、建物の爆心地側に植えられていたこの木にも、大きな傷跡が残りました。しかし、翌年の春には新しく芽吹き、その姿は人々に大きな勇気を与えました。

 現在、被爆アオギリは平和祈念資料館の東館の北側に移植されています。被爆アオギリからとれる種やその種から育てた苗木である「被爆アオギリ二世」は、広島市の平和活動の一環として、日本国内だけでなく世界中に配布され、植えられています。小学校に植えてあったという方もいらっしゃるかもしれません。
 
 このアオギリという木は冬に葉を落とす落葉樹で、中国南部や東南アジアが原産地です。日本では、街路樹や庭木として植えられることが多いです。アオギリは、葉がキリという木の葉に似ていること、また、幹が緑色であることからこの名がついています。若い木ほど幹の緑色が鮮明です。老木では褐色になることが多いですが、幹の上部の細い部分は緑色が残ります。

 写真は今年の7月に撮影したものです。写真の左側が被爆アオギリ、右側が被爆アオギリ2世です。近づいてみると幹の色の違いがはっきり分かります。

 アオギリの他にも、広島市内には「クスノキ」や「シダレヤナギ」など、多くの被爆樹木が残っています。それぞれの木には、「被爆アオギリ」同様に様々な物語があります。
 被爆75年の節目になる今年、被爆樹木を巡ってみてはいかがでしょうか。

この情報は、「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」により登録されました。

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