ひろしま森づくりコミュニティネット森づくりブログ七夕

七夕

公開日:2020年07月01日 最終更新日:2023年07月05日
登録元:「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」

詳細

七夕(令和2年7月)

 七月のイベントといえば七月七日の七夕(たなばた)。七夕は年に一度、織姫と彦星が天の川を渡り出逢う日とされており、この日は晴天を願う方も多いのではないでしょうか。
 この七夕は、所説あるようですが中国の行事である「七夕(しちせき)」と日本の「棚機(たなばた)」が合わさって生まれたという説が有力のようです。古く奈良時代から庭先にお供物をし、笹竹を立て短冊に詩歌などを書いて飾り付けることで、書道や裁縫の上達を願ったと言われています。現代の日本でも目標や願い事などを短冊に書いて飾る風習は続いており、小さな子供から大人まで、年齢を問わず楽しめる行事となっています。

 ところで、なぜ竹を使うようになったのでしょうか。詳細は明らかではありませんが、竹は日本書紀や古事記などでも神代より様々な用途で利用されていたことが記録されており、竹がもつ真っ直ぐに伸びる性質や、成長が早く持続的に入手できることなど多様な有用性を持つことから、利用されるようになったのかもしれませんね。

 この七夕のイベントで欠かせない竹ですが、イネ科の植物として分類されています(木や草と違った性質を持つことからタケ科ともいわれています)。
 竹は温暖で湿潤な場所に生息し、国内では主に真竹(マダケ)や孟宗竹(モウソウチク)、破竹(ハチク)などが多く見られます。

 近頃は管理がされず放置されていることが多く、森林や農地などに侵入し、他の植物を駆逐する植物として認識されている方も多いのではないでしょうか。
 しかし、京都の嵯峨野の「竹林の小径(こみち)」や東京の「竹林公園」などでは整備された竹林が広がっており、日本特有の和の雰囲気が漂う、非日常的な景観が楽しめます。
 掲載している写真は、数年前に私が京都へ観光したときに「竹林の小径(こみち)」で撮影したもので、その幻想的な光景に感動したことを今でも覚えています。

 また、竹はしなやかで折れにくい性質をもつことから、簾や箒、櫛などの生活用品から、タケノコやメンマなどの食用として、また漢方薬などにも利用されています。さらに「破竹の勢い」や「竹を割ったような」など、慣用句としても用いられており、普段から耳にすることも多いのではないでしょうか。
 最近では、竹をチップ化して土壌改良剤として用いたり、バイオマス資源としても利用したりしています。

 竹の有用性が見直されている今だからこそ、竹林を放置しておくのではなく、適切な管理を行い利用することで、地域や生活環境の景観の向上、資源として循環させることができます。

 また、七夕の行事やタケノコ掘りなど地域の活動を通じて竹と関わることで、竹についてもっと考えていきたいと思います。

この情報は、「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」により登録されました。

この記事をチェックした人はこんな記事もチェックしています