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山の色(春の広島市内某所にて)

公開日:2020年06月01日 最終更新日:2023年07月05日
登録元:「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」

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山の色(春の広島市内某所にて)
(令和2年6月)

 私は仕事の日はほぼ現場に行くので、ほぼ毎日、同じ景色が目に入ってきます。その景色とは山ですが、山は季節が移るにつれ、いろいろな色が付き消えていきます。

 最初に季節を感じるのは、サクラの仲間(バラ科サクラ属)です。緑色の常緑樹と葉がない落葉樹の景色に、ある時一斉に現れるピンク色に、気持ちが高揚します。このピンク色の大半はヤマザクラです。少し前に咲き出すソメイヨシノの花は、葉より先に開くのですが、ヤマザクラは花と葉が同時に開きます。最初は花色のように赤褐色だった葉は、花期の後半には緑色となります。

 山にピンク色が現れた頃、高木の裾野に赤紫色が現れます。コバノミツバツツジ(ツツジ科ツツジ属)です。この時期は落葉樹に葉がまだなく、草は伸びる前で、そして葉に先立って花が開くからでしょう、低木ながら赤紫色が目に入ってきます。花期の終わり頃、菱形の葉3枚が枝先に輪状に開きます。

 4月から5月になる頃、山肌に薄紫色が現れます。フジの仲間(マメ科フジ属)の花の房ですが、よく見ると、長めの房と短めの房があります。長めの房の方がフジ、短めの房の方がヤマフジです。また、つるの巻き方にも違いがあり、右から左に巻く方がフジ、左から右に巻く方がヤマフジです。

 そんなある日、昨日は緑色だった葉が、次の日に白色になっていました。またその次の日には、白色の葉が増えていました。マタタビ(マタタビ科マタタビ属)でした。マタタビの葉が白色に変化する瞬間に立ち会えたように感じ、とても感激しました。マタタビは6月に花期を迎えますが、その頃に、枝先の葉の何枚かが、葉の半分または全体が白色に変化していきます。つる性木本のため、立木に覆いかぶさっているので、木全体に白い花が咲いているように見えます。

 マタタビをはじめ、いろんな種類の白色の花が咲き、夏を迎えます。そして赤色や黄色に象徴される秋、常緑樹の緑色と落葉樹の樹皮の色の中に、実や花の赤色が映える冬へ向かいます。毎日同じ景色かと思いきや、出会いや発見があるので、私は年中楽しいです。

 マタタビの葉

この情報は、「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」により登録されました。

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