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世界最古の木造建築「法隆寺」

公開日:2020年05月01日 最終更新日:2023年07月05日
登録元:「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」

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世界最古の木造建築「法隆寺」
(令和2年5月)

 法隆寺に一度は行ってみたいと思いつつも延び延びとなっていましたが、昨年末やっと法隆寺に行くことができました。

 奈良県斑鳩町にある法隆寺は、607年に聖徳太子が創建した寺院です。
 1993年には、日本で初めてユネスコの世界遺産に登録され、飛鳥時代の建築様式を今に伝える重要な文化財です。

 創建当時から全く建て替えが行われなかったかというとそうではなく、日本書紀にその記述があるようですが、670年に落雷により全焼しています。現在のものはその後再建されたもので、使用木材を科学的に調査すると、焼失した年の前後に伐採されたものが多く、現在まで1,300年以上が経過していることが証明されています。
 日本は地震国ですので、再建以後大きな地震が奈良地方でも何度も発生したはずですが、五重塔においても、地震により倒壊した記録がなく、今なお高い耐震性を証明し続けています。東京スカイツリー建設の際に、最新の設計技術と飛鳥様式の類似点が指摘をされました。1,300年前に、既に地震にも対応できる技術が確立していたかと思うと、驚かざるを得ません。

 1,300年の歴史の裏には、何世代にもわたり法隆寺の維持補修を担い、飛鳥様式を伝承してきた職人、宮大工の存在がありました。
 法隆寺の専属の宮大工の棟梁を務めた西岡常一(にしおか つねかず)氏もその一人で、すでに故人(1908年~1995年)となられていますが、「最後の宮大工」、「法隆寺の鬼」と言われた方です。神社仏閣以外の一般建築には手を着けず、自身の家も他人に建築してもらう徹底ぶりで、宮大工としての仕事がない時代には農業を行い、作った農作物を行商し、食いつないだそうです。また、現場でたたき上げた豊富な経験と勘は、寺社仏閣の再建に大いに活用された一方、学者との衝突もあったようで、信念を貫き通す方だったようです。

 こうした人々により、メンテナンスが行われ、これまでもまたこれからも、世界最古の木造建築「法隆寺」として斑鳩の地に建ち続けるものと思います。
 法隆寺五重塔を前に立った時、何故か背筋を伸ばしている私がいたことを思い出します。

この情報は、「統括団体(広島市経済観光局農林整備課)」により登録されました。

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