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きのこの話
きのこの話 2021/10/05
秋といえば、私はマツタケなどの「きのこ」を思い浮かべます。
きのこは秋に限らず1年中発生しますが、1年の中でも10月は天然のきのこを多く採ることができ、きのこの需要も高まるそうです。10月15日は日本特用林産協会により「きのこの日」に制定されています。
ひとことで「きのこ」といっても、姿かたち、発生する時期、生息する場所は様々です。赤色や白色、黄色などの鮮やかなもの、暗くなると光るものもあります。
実は、私たちが「きのこ」と聞いて思い浮かべる部分は「子実体(しじつたい)」という胞子を作る器官で、きのこの一部分です。地面の中や木の中など、目に見えない場所にはきのこの菌糸が張り巡らされています。
日本では約4,000〜5,000種類のきのこが存在するといわれていますが、正確な数は決まっておらず、名前がついていないものも多くあります。食用とされているのはそのうちの数百種類です。毒きのこの中には食用きのこによく似たものも多く、間違えて食べてきのこ中毒になったというニュースが流れることもありますね。
私は野生のきのこを見つけたら様々な角度から写真を撮って図鑑と比べてみますが、似ている種類がたくさんあり、実物と図鑑の写真が全く同じではないので、きのこの判別はとても難しいなと思います。
きのこは栄養の取り方で大きく3つのグループに分けられます。木材や落ち葉を分解するきのこを「腐朽菌」といいます。人工栽培ができるきのこの多くはこのグループで、シイタケやマイタケが入ります。生きている樹木と共生しているきのこを「菌根菌」といいます。マツタケはこのグループです。菌根菌は人工栽培が難しいです。他の生物に寄生して栄養を吸い取り、宿主を殺してしまうきのこを「寄生菌」といいます。このグループでは冬虫夏草が有名だと思います。
きのこは山に生えるイメージがあるかもしれませんが、山の中に入らなくても、家の庭や公園、木の根元など身近な場所にもきのこは発生します。少し目線を下げてよく見ると、今まで通り過ぎていた場所にきのこが発生しているかもしれません。
遠出が難しそうな今年の秋は、身近な場所におもしろいきのこが発生していないか探してみようと思います。
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