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「子供たちが自由に遊べる森にしよう」(湯の山こどもの森プロジェクト)
「子供たちが自由に遊べる森にしよう」(湯の山こどもの森プロジェクト) 2018/09/05
湯の山こどもの森プロジェクト 事務局長 佐々木章
広島市佐伯区湯来町でもニホンザルが人々の生活圏まで出てきて畑を荒らしまわります。追い払っても荒れた森林に逃げ込んでしまいます。
湯の山温泉の近所にある、このような荒れた森林を借りて整備し、子供たちが自由に遊べる「こどもの森」を作りたいと湯の山こどもの森プロジェクトを結成しました。
私たちは、こどもの森を借り受けるにあたって、貴重な動植物が生息していればそれを残すような整備をしたいと思いました。
たとえば、旧湯来町時代に町の花に制定されていたササユリは、幼植物の時代や光合成が十分にできない場所では、一枚の葉だけ出して花をつけないまますごします。花茎が伸びていても、花をつけないとササと区別がつきません。整備で踏みつけたり刈り取ってしまえば、せっかく生き延びていたササユリに重大なダメージを与えてしまいます。
荒れた森林には立ち枯れたマツが目立ちます。特に腐朽の進んだ枯れマツは、作業中に急に倒れてくることがあるため、きわめて危険です。作業に慣れた熟練者数人で、このような枯れマツを慎重に1本づつ伐採しながら、どのような植物が生育しているのか時間をかけて観察していくことにしました。
一応の整備を済ませた場所を使って、催し物をおこなっています。カブトムシの観察会もその一つです。
はじめに飼育されているカブトムシの幼虫を観察しながら説明を聞いて、その後は「こどもの森」で幼虫を探しました。
雨の日には、こどもの森での観察ができないので、近所の図書館でカブトムシの生態を調べてレポートにまとめました。これは後ほど夏休みの課題の一部になったそうです。
カブトムシが羽化する前に、堆肥を運んでカブトムシの産卵場を作りました。
このときはシイタケの廃菌床を使いましたが、竹チップが良いと聞いて竹チップも追加しました。
せっかく産卵して幼虫がでてきてもモグラなどの動物に食べてしまわれないように産卵場の廻りは金属製の波板で囲ってあります。
カブトムシの成虫はドングリの林に集まるので、秋にドングリを拾ってきて牛乳パックのポットに植えました。背の高いポットを作って植えたので、移植したあとも深くまで根が伸びると思います。春に見たら何本かドングリの芽がでていました。
竹を使ってスタードームも作りました。竹篭のように編んで作るので、いろいろ間違えてしまって夕方までかかりました。モウソウチクを使ったため硬くて曲げにくいのも時間がかかった原因のひとつと思います。
あらかじめミニチュアのスタードームを作ってみて、参加者全員が作り方を納得してからとりかかると良かったのかも知れません。
大きな木に登りたかったので、特殊伐採に使うハーネスをつけてもらって登ってみました。今回は低い場所での経験でしたが、もう少し練習して高いところにも挑戦してみたいです。
こどもの森の整備は始まったばかりです。林床のササは、多くの植物の地上部が枯れた晩秋に刈り払いました。年間を通して観察を続ければ、生き残ったササユリを見つけることができるかもしれません。珍しい動物やキノコなどが見つかるかもしれません。
少し歩きやすくなったので、どのように整備するのがいいか多くの人の意見を聞きながら少しづつ整備を続けていく方針です。
また、こどもの森を利用するルールについても意見をまとめていくつもりです。
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