ふるさと恵下山まもり隊
                               

我が町の自慢 里山のある恵下山公園

『わがまち自慢』まちづくり活動事例発表会が、広島市政令指定都市移行30周年記念行事の一環としてあり、私たちの活動を発表しましたので、内容をご紹介します。

 ふるさと恵下山まもり隊です。

皆さん、安佐北区の高陽ニュータウンにある恵下山をご存じでしょうか?
安芸区の絵下山をご存じの方は多いと思いますが、私たちの恵下山は、ピクチャーの”絵”ではなく、晴れ晴れとしている、または、恩恵という意味の smile のほうで
自然の恵み The smiles of nature の恵みの山です。

この写真にありますように、この住居が復元された当初、つまり、ニュータウンができた時は、この住居はどこからでも見ることができました。歴史研究会の人たちは、バスを連ねて見学に来ましたし、幼稚園、保育園、小学校等の遠足でもにぎわい、子育て時期の親子連れ、近隣の人たちの憩いの場所でもありました。
ところが、月日とともにどんどん成長してきた樹木が、山一帯を覆い尽くし、密林のように茂り、山道には日差しも入らなくなりました。

そこで、7年前に立ち上がったのが、私たちふるさと恵下山まもり隊です。メンバーのほとんどは、隣接する真亀自治会の住人です。

なぜ、私たちが立ち上がったのか??
33年前、県下一のニュータウンとして、造成されたこの地へ、あちらこちらから寄り集まり、ここを第二の故郷として、地盤を築いて来たこと、また、その一角に、弥生時代の遺跡があり、歴史的にも貴重な場所であることです。
そのような場所で生を受け、育ってきた子どもたちには、ここを故郷として残してやらねばという熱い思いがあるからです。

場所は、広島〜向原線県道と、太田川にはさまれた高陽ニュータウンA団地の一角にあります。高陽高校の南側です。

恵下山住居群跡、恵下山城跡、遺跡群、古墳とそれぞれ時代の違う遺跡が重なって存在し、昭和49年に広島県史跡、恵下山山手遺跡群とした指定されました。桜を植樹したりして、恵下山桜公園として、市の管理下のもと山一帯が美しい公園でした。
そんな公園が、昼間でも薄暗くなり、不審者が出没する、安心して遊べないなどと、だんだんと人々を遠のかせていきました。 
以前のように、明るい山にして再びたくさんの人が憩える場にしようと意気込みましたが
何しろ直径30cmほどにも成長した木を切るのは素人にはとても無理な仕事でした。
そこで、森づくり活動団体、もりメイト倶楽部の応援をいただき、年2回くらい、援軍というより、専門的な技術と機動力で、間伐、除伐などをしてもらっています。

もりメイト倶楽部の方々が、住居の上に覆いかぶさっていた木を、文化財である住居を全く傷つけることなく切ってくださいました。
この時、何年振りかで太陽の光を浴びた住居は背伸びをしたように見え、ド〜〜〜と存在感を示したように見えました。

私たちの活動は、ここにお集まりの諸団体の方々の活動に比べれば、ささやかな活動にすぎません。が、継続は力なりの言葉通り、毎月一回、コツコツと整備活動を積み重ねています。登山道も明るくなり、頂上の展望台もすっかり視界が開けてきました。

写真は、もりメイト倶楽部の方々とともに作業しているところ、登山道にサザンカを植えているところです。
標高わずか68mの小高い山ですが、展望台からの眺望はご覧のように、東に木の宗山から登る、神々しい初日の出を拝むことのできる、御来光スポットです。
西には悠々と流れる太田川がのぞめます。
その昔、物流の水の道としてさかえた流れがうかがえる水量、また、広島市の水がめの量の豊かさを感じさせます。

(ちなみに私は、ライン川と呼んでいます。川の両側にあちこちに山城があること。悠々と流れる雰囲気が似ていると思うからです。ただ、ドイツのライン川には大型客船が行き交っていますが、ここはアユ釣りのボートか、カヌーくらいですが。)
左上の写真は、展望台に咲いた三葉つつじです。樹木を伐採したおかげで、そこここに芽吹き、5月には見事にピンクの花をつけました。
これこそ自然の恵み
 The smiles of nature です。

右上と左下は、公園広場の満開の桜の下で、大勢の花見客が楽しんでいます。
この桜も、山の木がせまっていたので、東のほうに向かって斜めに伸びています。山側の木を切ったので、少しづつ山側へも枝を伸ばし始め、樹形もだんだんと整ってきました。このことも、手入れをした成果だと喜んでいます。

右下の写真は、広島江波山桜です。
毛虫に葉を食い荒らされたり、貝殻虫がついたりして、気をもみましたが、メンバーがこまめに大切に手入れをしたおかげで、今年春はじめて数輪の美しい花をつけました。
大きく育って遠くからでも目につくような、展望台のシンボルツリーになってくれればとおもっています。

中央左の写真は、遠足にやってきた小学生たちです。今ではこのように再び人々が集い楽しめる山に生まれ変わりつつあります。たいへん嬉しい限りです。

夏は木立の中の散策、秋には紅葉と四季折々の風情をたのしめる里山、恵みの山、恵下山です。
弥生の昔から、先祖が残してくれた恵下山は、私たちにとっては第二の故郷、子どもたち、孫たちにとっては、真の故郷の山として、将来にわたって心のよりどころとなるよう美しく残して行きたいと思います。
資料でご覧いただきましたようにすばらしい里山です。
我が街の自慢の場所、恵下山を今後もより誇れる山にするべく、ささやかですが活動を続けて行こうと思っています。

きょう、ここで皆様に我が街、わが恵下山のことを知っていただく機会を得ましたことを大変うれしく思っています。
ぜひ、皆様のご記憶にとどめていただき、どうぞ、恵下山に足をお運びくださいませ。

平成22年11月3日

広島市政令指定都市移行30周年記念事業
   広島市市民交流プラザ

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